大洗町・幕末と明治の博物館

自分は歴史大好き人間である。その中でも特に大好きなのが幕末から明治維新に掛けての激動の時代。そういう人間からすればここ「大洗町幕末と明治の博物館」はたまらない施設なのであるがやはりこちらでも茨城県の観光PR下手を遺憾なく発揮しており、大洗イコール観光の町と言っても差し支えないはずなのに大洗町幕末と明治の博物館を知っている人は少ない。

だって凄いだろ、最後の将軍徳川慶喜、吉田松陰、西郷隆盛、勝海舟、坂本龍馬、木戸孝允(桂小五郎)、大久保利通、東郷平八郎といった、幕末明治のスーパースター達の直筆の書が館内に多数展示してあるんだよ。こんなところって全国周ったってそうそうないじゃん。

なのにである、他県の人はもとより、茨城県民ですらあまり知られていない。

top_asa_pict01吉田松陰の書

茨城県の観光課、もうちょっとなんとかしろよと思うのだが一番の何とかしろはその実大洗町幕末と明治の博物館自身なのかもしれない。

というのもそれこそ国宝、重要文化財クラスの名品の数々を展示してあるのだが、殆どのものが分かりづらいのだ。たとえば左の写真の吉田松陰の「臣罪如山今日行、檻輿何顔拝帝京・・・」という掛け軸、意味わかります?もしかして漢文とか古文の先生なら分かるかもしれないが自分を含め一般人の9割9分9厘の人は読めないし分からないと思う。だったらせめて現代語訳にしてくれんと・・・、こんな感じのものばかりを手当たり次第に見せられてもね、上手いんだか下手なんだかよくわからないピカソの絵を見ているような気分になるのが関の山でさ、これじゃ昔の人って達筆ですねといったそれこそアホっぽい感想しか言えないって。確かに詩は心で感じるものなのかもしれないがあまりの難解さに感じようもなさ過ぎて心の不感症になっちまうってよ。

そもそも歴史上の偉人たちが漢詩や詩をしたためるというのはそれぞれ何らかの思惑や決意なりがそこにあったわけじゃない、戦に臨む覚悟だとか、死を恐れずおのれの道を全うするとかね。恐らく多分だがラフな気持ちで暇だからなぁんとなく書いてみっかみたいなノリでは書いてないと思うぞ。そこをしっかり解説してくれないと何のための書なのかさっぱりわからん。

個人的に大好きな人斬り半次郎こと、薩摩の桐野利秋の掛け軸も飾ってあったがまったく意味が分からへんかった。維新回天、明治という新しい時代に夢を見た時のものなのか、はたまた西南戦争で死を覚悟したときのものなのか、全く分からへんかった。人斬り半次郎だけに、残念、斬りっ、切腹ーっ(古っ)。

恐らくここって社会科見学や家族連れで学生さん達も来るんでしょ?

せめて口語訳を振ってくれないと不親切だと思うぞ。お父さんや先生だって質問されても返答に詰まるだろう、その口語訳を読んで子供たちがどう思うかは自由だとしてもね。

展示してある品々は皇室から下賜されたものだったり、歴史上の人物のものだったり、それこそ絶対に見る価値のある本当に素晴らしいものなんだからさ、もう少し見る側の立場に立ってくれないと観光地としては不十分だと思うな。せっかく大洗町という絶好のロケーションにあるのにもったいないよ。
 

不親切度 ★★★★☆
まったく読めない度 ★★★★★
素晴らしい品々度 ★★★★★

 

所在地
東茨城郡大洗町磯浜町8231-4
問い合わせ先029-267-2276
利用可能時間9:00~17:00(入館~16:45)
料金一般700円・大学生600円・中高生300円・小学生150円
休日水曜日(祝日の場合は翌日)、年末(12月27日~12月31日)
駐車場あり(無料)
ホームページhttp://www.bakumatsu-meiji.com/

 

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