日立市・イトヨの里・泉が森公園

実家から車でわずか20分の距離なのに二度しか来たことのない泉が森公園。

top_asa_pict01イトヨ、青森県産業技術センターのHPより、まんま小アジ

あれは確か小学校低学年の時だったと思う。ねぇ、どこか遊びに連れてってようと俺は親に駄々をこね、ここならお金がまったく掛からないというひどく消極的な理由で連れてこられたのがまずは一度目。よく覚えていないが物凄くつまらなかった記憶しかない。年端もいかぬガキんちょをこんなところに連れて行くぐらいならアイスクリームの一つも買ってやれって・・・。

次は二十年ぐらい前、たまたま車で近くを走っていたら猛烈な便意を催してしまい、うっ、ヤバい、どこか便所はねぇか、はっ、あそこなら公園だし、便所はあるはずだと泉が森の公衆便所を借りたのが二度目。こういった場合、多にしてありがちなのが尻穴の方に気を取られるあまり、紙の有る無しを考えずに用を足してしまうということ。ふーっ、危なかったぁと安堵したのも束の間、それは紙がないことに気付く地獄物語第二章の始まりだったりするが、殊、泉が森ではそういった記憶はないので恐らく紙はあったのだと思う。覚えているのはやたらと豪華な和風公衆便所だったということだけだ。

ちなみにその昔、とある公衆便所では時既に遅し、どこを見回しても紙はなく、泣く泣く履いていたパンツで尻を拭くという忌々しい俺の黒歴史がある。証拠隠滅を図り、パンツごと流したら詰まりを起こし便器から大量に溢れだすクソだらけの水・・・、やめとこう・・・。

そう、溢れだしているのは便水ではなく、湧き水である。

top_asa_pict01湧水の源泉、必ず中に小銭を投げ込むバカがいる

便所の話の流れから湧き水の話になったのであまり有り難みは感じられないかもしれないがここ泉が森の湧き水は平成の名水百選に選ばれるほど澄んだ湧き水である。毎分3トンもの水が溢れだしているらしいのだがまわりにこれといった山はなし、いったいどこからこれだけの水が湧き出てくるのかまったく以て不思議でたまらない。

なお、この湧き水に生息しているのが地域によっては天然記念物に指定されている程珍しいイトヨという魚。イトヨは見た目的にもどちらかといえば外れの部類に入る、パッと見アジに似たまったく大した魚じゃない。そのくせ、クソ生意気にも綺麗な湧き水のあるようなところでしか生きられない非常に面倒臭い魚なのである。

そんなイトヨだが臆病な魚ゆえ、ちょっと見たぐらいではまず見つからない。

top_asa_pict01この池の中にイトヨがいるらしいが全く見れず

事実、この日も湧き水を引いているイトヨの里公園内の池を結構目を凝らして見てみたがまったく見当たらなかった。それもそのはず体長7センチ程度と非常に小さく、おまけに色も黒っぽいので目立たないのだ。いたのは石にへばりついてる大量の小さな川海老とザリガニが一匹のみ。魚キラーに鯉釣り用の練り餌でもぶち込んでおけばもしかしたら採れるかもしれないが日立市役所の観光物産課に確認したところイトヨは保護されているため決して採ってはいけないとのことだ。だからやるな。やって捕まるのはイトヨじゃなく、あんただったりする。看板にも罰則ありと書いてあった。

ともかく、イトヨってここにどんぐらい生息してんだろうな?

隠れていて見れなかっただけで実は結構いるのか、それとも圧倒的に絶対数が少ないのか、よくわからないがとりあえず見れたらラッキーぐらいに考えとかないとしんどいかもしれん。

それで感想なのだが、う〜む、取り留めがなさすぎて困る。確かに水がぼこぼこと砂を吹き上げながら湧き出ている様はおおすげぇと思うが正直そこまでなんすよねぇ。いくらイトヨが生息して、夏は蛍が舞うと言われても七ツ洞公園のようには感動はしなかったなぁ。

top_asa_pict01民芸品屋風の公衆便所、中は蜘蛛の巣だらけ

しかもバブリーなイメージの和風便所も今は昔、中は蜘蛛の巣だらけだわ、壁のクロスは剥がれてるわでどちらかといえばむしろヤバい雰囲気をぷんぷん醸し出していたもんなあ。

あくまでも個人的な感想だがここは近所の人達の憩いの場だけでいいんじゃないかと思う。

確か、子供の時に来たときはここにニジマスの釣り堀があり、売店でニジマスの塩焼きなんかを出していてそれなりに賑わっていたような気がするが今じゃ釣り堀の面影もなく(三十年以上前の記憶なのでかなりあやふや、しかもここに来るのはカネが掛からないという前提だったのでニジマスを食べさせてもらえず)、人影もまばら、居たのは近くに住むヤンキーくずれの主婦がベビーカーに赤ん坊乗っけてぷかぷか煙草を吸いながら散歩に来ていただけだった。

まさにこの公園の本質をよく著わしていると思う。本来、泉が森の湧水は713年に編纂された常陸風土記にも『此より東北のかた二里に密筑(みつき、現在の水木町)の里あり。村の中に淨泉(いずみ)あり。俗(くにひと)、大井と謂う。夏は冷かにして冬は温かなり。湧き流れて川となれり。夏の暑き時、おちこちの郷里(むらさと)より酒と肴をもちきて、男女会集(つど)いて、休(いこ)い遊び、飲(さけの)み楽しめり』と記されてあるぐらい由緒正しいものなんだけど、その割に「売り」は歴史よりもイトヨだしさ。

しかもイトヨは殆ど見られないというね、つまり観光スポットとしては矛盾しちゃうのだがわんさか人が来て水源が荒らされたりして、イトヨが絶滅してしまえば価値はがた落ち、当然イトヨの里から名称も変更しなくてはならないから困る、だったら自分らで泉は保全するからその代りあまり構わないでくれよというのが地元の本音なんじゃないかね。勝手な妄想っすけどね。

正直俺はつまらなかった。次にくるのは二十年後ぐらいでいいかな。

 

イトヨは多分見れないよ度 ★★★★☆
日立に来たなら寄って度 ★★★☆☆
確かに水は綺麗だ度 ★★★★★

 

所在地
茨城県日立市水木町2
問い合わせ先日立市役所観光課
0294-22-3111
利用可能時間24時間入園自由
料金無料
休日通年
駐車場駐車場あり(無料)
ホームページhttp://www.city.hitachi.lg.jp/park/

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